子供クラスについて
「子供クラスについて」 合気道泰門会代表 小柳 俊一郎
私は、子供クラスの指導で大切にしていることがあります。それは、子供たちが「正しい成功体験」を得られるようにすることです。「何か一つの技術なり技を自分が努力をして獲得し周りから認められる」「出来ないことをごまかさずに、真剣に取り組みそれが報われる」といった経験を稽古の中で積ませていきます。自分で獲得したものですから、本人にとってそれはとても大きな自信に繋がります。人から簡単に与えられたものでは、決して本当の自分自身を信じる力は、生まれません。自分を信じる力「自己肯定感」を養うことが、何事にも挑戦していくことが出来る、心の基盤になります。
合気道は試合がありません。チーム同士が戦い相手に勝つこともありません。レギュラーになれなかった子供たちが、控え選手になり試合に出れないということもありません。もちろん勝負や集団競技も子供たちの発達の上で大変重要な経験だと思います。それは競争のある場面で、彼らは学んでいくことでしょう。
合気道の稽古では、勝敗がない分自分の向上に目を向けやすい特性があります。「勝負」は相手に勝たなければなりませんが、「向上」は常に相手は今までの自分自身です。子供たちは、根源的に向上したいという気持ちを持っています。その本人たちのやる気をその個性に合わせて、最大限伸ばしてあげることが、指導者としての私の務めだと思っています。私はこの「正しい成功体験」によって「自己肯定感の養う」という事を、子供クラス指導で一番大事にしています。